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○東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.


 あとがき 上海アリス通信 vol.3


 

                 上海アリス幻樂団長 ZUN
                        2003/08/17

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 ややネタばれもありますのでクリアしてない方は、読んでも読まなくても。
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 あと、強烈なネタバレのある方は、キャラ設定.txt に分離しました。
 そちらは、クリアしたか諦めたか、そもそも気にしない方のみ見てくださ
 い。

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■0.おまけのあとがきのもくじ
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 ■1.おまけのあとがき
 ■2.裏音楽コメント
 ■3.エキストラストーリー

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■1.おまけのあとがき
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  初めましてZUNです。初めてじゃない人には初めませんZUNです。
 ようやく7作目となります。
  
  妖々夢、頭の悪いゲームです。プレイして貰える方が増えたんだから、
 もっとサービス精神旺盛な作りにしても良かったのに、相変わらずの内容
 ……。
  敵の攻撃だって、眩暈を引き起こすような弾幕、攻略するにはパターン
 化が必須の高難易度モード、並の努力ではコンプリートさせる気など無い
 スペルカード。

  言うまでもなくわざとですが(笑)。同人ゲームくらい、最近のゲーム
 みたいなユーザー在ってのゲームではなく、昔のゲームみたいに、開発者
 の我侭で創ったものであって欲しいものです。遊ぶ側としても。

  好きなものを思うが侭に表現できる。それこそが、同人(もしくはフリ
 ー)の利点だと思ってます。商業の縮小コピー版のつもりじゃ、私なら商
 業ゲームを遊びます。



  でこのゲーム、基本はノーマルノーコンティニュークリアが目標で、こ
 れ自体の難易度はかなり低めです。それでもクリアできない方、もしくは
 STGを殆どやったことの無い方は、まずはイージーを遊ぶといい感じで
 す。

  今回は、イージーでもノーコンティニュークリアをすればグッドエンデ
 ィングになりますので、気持ちよく眠れます(笑)
 
  どんなものも人によって目標値(限界値)が異なります。特にSTGは
 その差が顕著かもしれません。実際、紅魔郷のEXTRAをクリアできた
 人は、全体の何割くらいだったのでしょう? 気になるところです。

  前作までのEXTRAをクリアできた人なら、何の問題も無く今回もク
 リアできる事でしょう。むしろ易しすぎるかもしれません。
 (そういう人なら、このゲーム、ノーマル初プレイでノーコンティニュー
  クリア出来た人も多そう……)

  そういう方は、是非、上の難易度、目標を目指して見てください。この
 ゲームの本当の姿が見えてくるはずです(笑)

  幸い、PCゲームはリプレイの配布が容易なため、超絶プレイを眺めな
 がらお茶の香りを楽しむ、という楽しみ方も可能です。

  ベストの楽しみ方は、皆が同じ目標を持つのではなく、自分なりの目標
 を設定し、そこまで努力することです。目標以上の事は、もっとレベルの
 高い人の努力の結晶を見て楽しむ。これも、STGならではの楽しみ方で
 は無いでしょうか?

  (にしては簡単すぎる? いやぁ、私が見切れる限界です(汗))

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  ―― 蓬莱の音は妖魔の眠りを妨げるか

  ちなみに今回の音楽はどうでしたか?
 激しく切なく、それでいてちょっとエキゾチックな曲を目指しました。
 って、いつもそればっか。どっと疲れる位ハイテンポな曲ばっかで、物凄
 く癒されません。まぁ、元々STGゲームは癒されません(笑)
 
  今回は、やや大人の雰囲気が出るといいなぁ的な感覚で作曲しました。
 紅魔郷より、対象が1才くらい上の曲になっていると思います。私が一つ
 歳を取ったし、紅魔郷を遊んだユーザーも、恐らく一つ以上は歳を取って
 いるはずなので……。

  それにしても、いつもは西洋風の曲を創っても、何処かしら東洋風の雰
 囲気が混じるのですが、今回は東洋風に徹しても、何処かしら異国風にな
 っているような気がしてならない。

  決められたものを決められた通りに創れないのは、プロフェッショナル
 でない証拠ですね(^^;


  和洋折衷、ということで……

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  ―― その桜は二度と咲くことは無かった

  もしかしたら、妖々夢。一部難解な内容もあるかもしれません。ゲーム
 独自の用語でない為、ゲーム中では細かい説明が無い用語がある可能性が
 あります。

  ただ、難しい単語だったら辞書で調べるなり、ネットで検索するなりす
 ればすぐに判るので問題は無いのですが、そうではなく、「見立て」とか
 が多いため、「判らない人には、判らない事があるのかすら判らない」、
 内容になっているかもしれません。

  特に、弾幕を或る物(もしくは事象)に見立てている場面が多々ありま
 すが、非常に抽象的であるため、殆ど理解されないかも知れない……
 (もしかしたら、実は東方のユーザーは妄想力が高くて、色々分かり過ぎ
  てしまうかも知れませんが(^^;)

  まぁ、ストーリー自体は物凄く単純なので、誰にでも楽しめます。
 (この内容が受け入れられるかどうかは別)

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  ―― 弾幕結界 ~ Border of Shooting Games

  妖々夢は開発に時間がかかりすぎました。体験版のサポートが多く、実
 質の時間はそんなに長くないのですが……
 
  プログラムをしている時が一番気楽ですね。感性があまり要らなく、予
 測と結果が異なる事が余りない為、全て予定調和の上です。
  それに比べて、音楽や絵は……(--;

  それはともかく、気が付いたらアルコール量がかさんでいる事が多いで
 すね。妖々夢の90%はアルコールで出来ています(いつもそればっか)
  東方のキャラがお酒を飲んでいる場面がありますが、未成年がお酒を飲
 んで罰せられるのは、今の日本の法律があるからです。幻想郷では、特に
 そういった法律のようなものはありませんので、問題ありません。
 (現在の日本では、未成年の飲酒は法律によって禁じられています、
  未成年の皆さんは真似しない様に……)

  明確な法律がない為、大変物騒にも見えます。でも、本当は法律が少な
 いほど平和でもあるのです。(妖怪は人間を喰いますが :-b)

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  ―― 次回は

  同じものを創り続けたいのですが、世間的にそれを許してもらえるのだ
 ろうか。
  いつもこればっかでワンパターンだな。と言われると、ごもっともです、
 としか言い様が無かったりします(^^;同じ物を創っているつもりですので。

 (まぁ、ずっと昔から遊んでいる方はそんなことわかっていると思います
 が、紅魔郷から遊んだ方だとちょっと不安……)

  本当は、ストーリーとデータ差し替えに、ほんの少しの改良点を加えて
 延々と同じものを創りたい、って言うのが本音かもしれません。目先の斬
 新さに踊らされる事なく、同じ事を続けていくことで、誰も見たことの無
 い新しい世界に至る、と言う事もあるのです。急がば回れ、ですね。

  なにはともあれ、宜しかったらこれからもよろしくお願いしますm(__)m

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■2.裏音楽コメント
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 音は曲名を付けて初めて、曲と認識されます。
 名前が無いものは、偶然の音の調和に過ぎないのかもしれません。
 そんなわけで、曲名に関する自分コメント(補足)を。

 1.妖々夢 ~ Snow or Cherry Petal
  タイトル曲ですから、しんみり。
  幻想郷に降り注ぐは、雪か桜か。
  そういう思いをこめた曲名です。

 2.無何有の郷 ~ Deep Mountain
  無何有の郷(むかうのきょう)。
  一言で言えば人里はなれた山奥です(笑)

 3.クリスタライズシルバー
  白銀の雪の結晶のイメージで。
  決して銀の結晶ではありません。

 4.遠野幻想物語
  日本の山奥というと、柳田翁を思い浮かべてしまいます。
  アカデミックなのかオカルトなのか、ってくらいが良いんでしょうね。

 5.ティアオイエツォン(withered leaf)
  枯葉色です。冬というよりは秋。
  私にとって猫は秋のイメージがあります。
  過酷な冬も夏も越せない、春の瑞々しさも猫に合わない。
  そんなイメージが。

 6.ブクレシュティの人形師
  アリスは色んな地方の人形を所持しています。
  本当は土偶とか兵馬俑とか出したかったですね。

 7.人形裁判 ~ 人の形弄びし少女
  森の中とかに壊れかけた人形が捨ててあると、ちょっとぞっとします。
  あれは、人形だからなんでしょうね。
  森の中に壊れかけた人間が捨ててあっても、ぞっとはしません。ただの
  死体遺棄だし、人形遺棄よりずっと理由も予想しやすいです。

 8.天空の花の都
  空中には私たちが気が付かないうちに、いっぱい庭園や都市、城、島、
  といったものが出来ています。
  実は私たちが知らないだけで、天空は飽和状態なのかもしれません。
  安易に旅客機など飛ばすべきでは無いのです(←高所恐怖症)

 9.幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble
  幽霊アンサンブル。
  ちなみに、騒霊と我々日本人が考える幽霊とは割と別物だったりします。
  外国では、もっともつまらない霊の部類なんですよね。楽器を手も足も
  使わずに自由に演奏しますが、テルミンではありません。
  それに、元々楽器無しでも音が出せそうなのに、楽器を使用します。
  そういう無駄が多ければ多いほど、素敵なんですよ。そもそも幽霊自体
  が、無駄なんですから。

 10.東方妖々夢 ~ Ancient Temple
  古の寺院。
  突然、空気の温度が変わる曲です。
  もっとも、東方妖々夢という感じの曲なので、このタイトル。

 11.広有射怪鳥事 ~ Till When?
  広有とは言うまでも無く、怪鳥退治で有名な隠岐次郎左衛門広有の事
  です。イメージが謎めいた妖怪、って感じだったのでこんな感じ。
  Till When? はただのダジャレなので気にせず(汗)

 12.アルティメットトゥルース
  究極の真実。すなわち真理。
  というほど大層な曲ではありませんが……

 13.幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life
  日本語の曲名はわかりやすくて良い。
  もっともストレートな曲名です。
  何も言うことはない。
  これも、桜の魅力か……

 14.ボーダーオブライフ
  生死の境。
  生きていることを説明するには、死んでいるものが必要である。
  だから、死なない生き物は存在し得ない。生きていなければ死ねないし、
  死なない生き物は生きてもいない。
  私は生命の実態を、この厚さ0の生死の境であると考える。

 15.妖々跋扈
  ヨーヨーバッコ。
  妖怪に始まり、あらゆる妖の者が好き勝手している世界。
  ここでは、万物の霊長である人間も、ただの小動物に過ぎない。

 16.少女幻葬 ~ Necro-Fantasy
  地域、風土、宗教によって、仏の色んな埋葬方法が編み出された。
  火葬、土葬、鳥葬、いまや、宇宙葬なんてものまである位。
  私は一生に一度の遺言に、「幻葬で行うこと」と書いて、困らせてや
  ろうかと企んでいる(企むな)

 17.妖々跋扈 ~ Who done it!
  Whodunit フーダニットです。
  異国語に詳しくないためよく分かりませんが、Who did it? が正しい
  使い方みたいですね。
  いきなり最後に登場して、実はこいつでした、なんてのはあり得ない
  気もしますが。

 18.ネクロファンタジア
  Necro-Fantasia 死の幻想曲
  素敵な響き。
  生きているうちは、死を味わうことが出来ない。
  死は常に生の幻想である。

 19.春風の夢
  春風は桜を散らす風でしかない。
  寝ても覚めても、春風の事を疎ましく思うか。

 20.さくらさくら ~ Japanize Dream...
  さくらさくらは、良く唄われる童謡の中でも、群を抜いて日本風だと
  私は思っている。
  ただ、ひとつ気になることは、あの曲の曲名は「さくらさくら」だっ
  たのか、それとも「さくら」だったのか、はたまたもっと別名だった
  のか、思い出せない……

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■3.エキストラストーリー
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 ここは博麗神社、幻想郷の境である。
 桜の様子も、愈々もって満開から狂い咲きへと、変化しようとしていた。
 連日に近い程の花見も、徐々に新鮮味が薄れ、日常へと変化していた。

 霊夢は、それが日常に近ければ近い程、また生活にとって無駄であれば
 ある程、それが風情である、という事を感得していた。

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  霊夢 「花見はいいけどね」

  幽々子「いいけど?」

  霊夢 「最近、亡霊が増えた」
  魔理沙「もう、花見も幽霊見も飽きたぜ」

  幽々子「みんな、久々の顕界(現世)で、浮かれてるのよ。
      たまにしか出来ない観光だわ」

  魔理沙「良かったな、この神社にも参拝客が来て。大勢。」
  霊夢 「でも、誰もお賽銭を入れていかないわ」

  幽々子「幽霊は、誰も神の力なんて信じていないって。
      神社なんかを巡るのは学生霊の修学旅行かなんかよね」

  霊夢 「やっぱり、祓おうかなぁ」

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 人が滅多に訪れない神社は、何時の間にか霊たちの観光スポットとなっ
 ていた。
 そのとき、場違いな格好をした一人の人間が神社を訪れたのだ。


  咲夜 「こんな所にいた。亡霊の姫」
  幽々子「私? メイド風情がこんな所まで何の用?」
  魔理沙「こんな幽霊だらけの神社に人間とは、場違いだぜ」

  霊夢 「こんなとは失礼ね!」

  咲夜 「あなたが、ひょんな所でのん気に花見してるうちに、
      巷は冥界から溢れた幽霊でいっぱいだわ。
      何を間違えたか家の近くまで来ていたから、あなたに文句を
      言うために探したのよ」
  幽々子「私だって、ただひょんな所でお茶を濁しているだけじゃないわ。
      もうすでに、冥府の結界の修復は頼んであるわ」
  魔理沙「ならなんで、ひょんな所でのんびりしてるんだ?
      帰れなくなるぜ?」

  霊夢 「ひょんなって何よ」

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 そして、また一人、亡霊姫をたずねてくる者がいた。
 いや、一人ではなく、2分の1人かも知れないが。


  妖夢 「幽々子様!
      また、みょんな所に居て……
      それより大変です」

  霊夢 「あなた、さっきの私達の会話聞いてたみたいね」

  妖夢 「??
      とにかく、あの方に結界の修復を頼んだのに、まだ寝ている
      みたいなんですよ」

  幽々子「あいつは、冬は寝るからなぁ
      でも、もうとっくに春になってる気がするけど」
  妖夢 「春になったのは、地上ではまだ最近です」
  
  魔理沙「あんたらの所為でな」

  幽々子「じきに起きて来るわ。
      毎年の事じゃない」
  妖夢 「遅れる分にはいいんですけどね」

  人間三人「あんまり良くない」

  妖夢 「ただ、代わりに変な奴が冥界に来ているんです

      あの方の、何でしたっけ? 手下? 使い魔?
      そんな様な奴が、好き勝手暴れてるんですよ」

  幽々子「そんなん、その刀ですぱっとしちゃえば?」

  妖夢 「まさか、滅相もございません。
      幽々子様の友人の使いだって言ってる者を、
      斬ることなんて出来ないですよ」

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  霊夢 「なら、私が懲らしめてあげようか?」
  咲夜 「なら、私がすぱっと」
  魔理沙「すぱっと」

  幽々子「それなら、任しておきましょう」
  妖夢 「良いんですか?
      友人の使いですよ?」
  幽々子「友人の使いは友人ではないわ」

  霊夢 「みんなが冥界に行ってくれるなら、私は
      行かなくてもいいわね」
  咲夜 「何言ってるのよ、私も忙しいの」
  魔理沙「私はかまわないけど、みんなの代わりに行く気は無いぜ。
      ここは一つ、ジャンケンで決めるってのはどうだ?」

  霊夢 「ありきたりね」
  咲夜 「ありきたりだわ」

  魔理沙「ジャンケンで、後出しをしなかった奴が行く」

  霊夢 「それでいいわ」
  咲夜 「いいわよ」

  三人 「ジャ~ンケ~ン……」

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 三人は、薄くなった冥界との境を行き来し、何故か冥界の秩序を保つ
 羽目になっていたのだ。
 三人が出かけている間も、亡霊の姫はここみょんな神社に居たり、
 いなかったりと、好きな様に生活していたのだ。

  幽々子「それから、妖夢。
      使い魔じゃなくて、式神よ。
      似たようなもんだけどね」

  妖夢 「幽々子様はなんでほったらかしにしてるんですか?」

  幽々子「あら、庭の掃除は誰かに任せっきりですけど」

  妖夢 「みょん」


 亡霊達はこの人間達に、本当の災妖は式神なんかでは無い事を喋らずに
 居た。一つの憂鬱である。