-------------------------------------------------------------------○東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom. あとがき 上海アリス通信 vol.2.1                  上海アリス幻樂団長 ZUN                        2002/01/26-------------------------------------------------------------------  *このあとがきは、冬コミバージョンで付けたものに加筆修正したものです。  一部、内容が古い場合がありますがご了承ください。 それはともかく、弾幕は邪道であるおおよそ初めまして、ZUNです。今回は、体験版 Plus という形で出させていただきました。実は完成させる気でいました。でも、色々あって前作の委託販売をすることになったので、その手続き等に多くの時間がかかって、余裕が無かったです。(いや、それが無くても間に合うかどうか(^^;) それはさておき、弾幕は邪道であるそれは、シューティングゲームの生い立ちを見れば自明です。敵弾はプレイヤーを適度に殺すために存在しているのであって、決して避ける為に存在する訳ではないのです。本来弾避けはSTGの面白さの一つであって、弾避けしたいためにSTGを遊ぶ(創る)となっては本末転倒なのです。これは、創作者がもっとも陥りやすい罠の一つで、「手段が目的化」してしまったということなのです。創作者は常にこれに陥らないように注意して創らないといけません。 そこはかとなく、弾幕は邪道であるそれでは、このゲームはどうなのでしょうか?このゲームの敵弾は全て避ける為に存在しています。それどころか、このゲームの存在自体が弾幕に支配されています。敵弾が見難ければ、見た目を犠牲にしても背景のコントラストを落とし、あたり判定がわからなければ、ゲーム中に表示し、敵弾以外に意識をまわさないように敵の座標を表示したり...それは、弾避けを楽しむ為に、他の楽しさを犠牲にしている事に他なりません。見事に「手段が目的化」しています。 とにもかくにも、弾幕STGは邪道STGである遊んでいる方は、そう思っていない人もいるかも知れません。でも、邪道である事を認識していただきたいです。また、私も決して邪道ゲームが作りたい訳ではございません。罠に陥ってしまっただけなのです。「弾避けが楽しい -> 弾を増やす -> 避けやすいシステムにする -> もっと弾密度が濃くなる...」 という、邪道スパイラルから抜け出す方法は、私には一つしか思いつきません。「自分が邪道ゲームを創ってる事を理解し、開き直る」。つまり確信犯になるのです。邪道だと理解しないと中途半端に王道のいいところを入れようとしてしまい、かえって邪道になるだけです。開き直っていない場合も同じです。どうせ邪道なっちゃったんだから、究極的に邪の道を突き進みたいです。この「確信犯の大邪道」こそが「新ジャンルの王道」になるのだと、私は信じて止みません。 それはさておき、今回のキーワードは「春」です。これは、冬コミで体験版夏コミで完成版、という予定から中間を取って春で。 実際に、完成は春にできそうですけど。勘の良い方なら気付くかもしれませんが、ゲームタイトルの妖々夢、とは、春はあけぼの、「やうやう」白くなりゆく山ぎわ、から来ています。とはいえ全然、春っぽくないですけど、それはストーリーの所為です(^^; やっぱりさておき、今回、雪を降らしたり、背景一面白銀の世界、とかすることになったのですが、ここで一番問題になるのが「背景が明るいと敵弾が見にくくないか」って事だったりします。一応、弾の多い場面では、雪の明度を下げたり工夫をしてみました。私がプレイした感じでは、大丈夫になったような気がしますが、いかがでしょうか?まぁ、このゲーム、スペルカード中は背景を変えてるので、問題はなさそうですけどね(^^; さてさて、新プレイヤーキャラはメイドさんです。ますます、このゲームの巫女さん度(現在33%)が減っていきます。ただ、今回は前作より全体的に東洋風な雰囲気になるようにしてみました。そこで帳消し(してない)。メイドさんだけ若干寒そうな格好です。というか皆寒そう...。巫女さんは神社に行けば実在が確認取れますが、メイドさんはなかなか確認取れないですね、ユニコーンとか執事の山岡と同じくらいの、空想上の生き物なのかもしれませんね。 さてに曲。曲の方もますます独自の世界に入っていきたいと思いつつ。全体的に曲も東洋風を意識しています。東方なんだからね(笑)かといってこてこての和風過ぎるのも好きではないので、どこか懐かしい感じを受ける程度に東洋風だといいかな?って感じにしたいところです。そういえば、ゲームはコンセプトをしっかりと組み立てるのですが、曲や絵はいい加減ですね(^^; まぁ、私の場合ゲームありきのミュージック、つまりゲームミュージックなので、全てのコンセプトはゲームに準じてます。弾避けが楽しくなるように気をつけています(何だそれは)まぁ、曲単体での出来等はあまり気にしてはいけない(^^;そこがゲームミュージックの悲しいところですね。ゲームに貢献する曲で無ければ、それが如何に素晴らしい曲でも、存在意義がありません。逆に雰囲気さえ合うのならば、PSGでもBEEPでも良いのです。音楽自体にゲームと無関係のメッセージをこめてしまっては本末転倒です。そういう意味でも、ゲームミュージックは純粋な音楽では有りません。多くのプロの作曲家がゲームミュージックを嫌う理由はここにあると思います。しかし、裏方に徹したゲーム音楽はゲームの面白さに貢献すると共に、ゲームが音楽の良さも引き出してくれると思うのです。 とまぁ、正月は巫女さん初詣でも行きますか。去年は仕事が忙しくて、神社に行けなかったからなぁ。実家が冬の観光地の為、通常、正月仕事が無いのは私だけです。実家だとパソコンともネットともお別れ出来て幸せです。ただ、珈琲飲みながら推理小説を読むだけの正月、いいですねぇ。たまにはスキー位はしたいんですけどね。でも正月は混むからなぁ。 それさて、最近は心霊現象によく遭うような気がします。やっぱり心霊現象は、文字通り精神に異常をきたすと良く見るようになりますね。開発に携わるものは特殊な精神状態に置かれることが多いため、このような話が多くなるのでしょう。心霊現象を引き起こす妖怪は、こんなにも身近に存在しているんですよね。知らず知らずの内に乗っ取られ無いように気を付けましょう。(手遅れ?、いやぁまさかねぇ) そさ(もはやなんの略だか判らん)、何のテーマも無いあとがきになってしまいました。今回、ライブラリやツールの構築が殆ど終わって、プログラムすることがかなり減ってしまったんですよね。それはそれで寂しかったりします。敵のスクリプト打ちがプログラムと言えなくも無いですけどw ゲームは描画に比べ、CPUの性能が高くは遊んでることが多いので、全スクリプトで書いてもなんの問題もありませんね。それよか、処理が一箇所に集中するので、バグも発見しやすく、数も少なくて利点の方が多いです。 そろそろ、おいとましましょうかね。大体、まだ完成してないし。