--------------------------------------------------------------------○東方星蓮船 ~ Undefined Fantastic Objectキャラ紹介とネタバレ上海アリス幻樂団長ZUN2009/08/15--------------------------------------------------------------------===========================================■0.設定の目次===========================================■1.エキストラストーリー■2.キャラ設定*この先は、エンディング以降に係わる強烈なネタバレがありますクリアしたか諦めたか、そもそもどうでも良い方のみ見てくださいこの先、一天文単位↓ ===========================================■1.エキストラストーリー=========================================== 博麗神社。霊夢と早苗が空飛ぶ船と白蓮達の話をしていた。そこに魔理沙が慌てて飛び込んでくる。魔理沙「霊夢、大変だ!」霊夢「何よ騒々しい」早苗「何かあったのですか?」魔理沙「いっぱいばらまかれたUFOに、やっぱり何か乗っていたぜ!この目で見たんだ!」魔理沙が、偶然手に入れたUFO型の飛倉の破片。それには不思議な秘密があった。霊夢「でもあのUFOって、飛倉の破片だったんでしょ?空飛ぶ倉だから、破片になっても空中を漂うって白蓮に聞いたわ」魔理沙「飛倉の破片はこっちだ!」魔理沙は、古くてボロボロになった木片を取り出して見せた。早苗「何ですか?そのボロボロの板きれは」魔理沙「ほらよ」そういって、魔理沙は木片を早苗に投げた。慌てて受け取ろうとした早苗の手は空を掴んだ。何と木片は空中に留まり、決して落ちてくる事は無かったのだ。早苗「宙に浮いている……?」霊夢「確かに、UFOよりこっちの方が飛倉の破片、っぽいわねぇ。でも、白蓮達はUFOを飛倉の破片だって……。どうしたの?この宙に浮く木片」魔理沙「実は、ちっちゃなUFOをこじ開けてみたんだ」霊夢「そうしたらこれが入っていたとか?」 魔理沙は首を振った。魔理沙「違う違う。中に入っていたのは小さな蛇だったんだよ。しかも蛇から鳥になったりする蛇だ!しかもその生き物を取り除いたら、UFOが木片に変化したんだ」早苗「全く意味が判りません。で、その蛇は何処に行ったのですか?」魔理沙「蛇は、逃げるように空に向かっていったよ」早苗「空に……?」魔理沙「余りにも驚いたんで、もう一度白蓮に聞いてみたんだ。『飛倉の破片って一体何なんだ』って。『何でUFO型をしているんだ』って。そうしたら、なんて言ったと思う?」霊夢「なんて言ったの?」魔理沙「『UFO型ってどういう形ですか?これはただの板きれですが』って。どうやら、彼奴らにはUFOの形には見えないらしいんだ。最初から、そこに浮かんでいる木片の様に見えていたらしい」早苗「???」魔理沙「つまりは、飛倉の破片がUFOに見えていたのは私達だけと言う事だ」霊夢と早苗は言葉を失った。早苗「人によって見え方が違うなんて……」霊夢「……それってどういう事?」魔理沙「それ以上の事は私にも判らん。でも何か、裏に潜んでいる気がするぜ。得体の知れない何かが」その謎を追うために、三人は再びUFOをこじ開け、逃げた蛇の後を追う事にした。正体不明の飛行物体。それは一体何なのだろうか。 ===========================================■2.キャラ設定=========================================== ○楽園の巫女博麗霊夢(はくれいれいむ)Hakurei Reimu種族:人間能力:主に空を飛ぶ程度の能力毎度お馴染みの巫女さん。博麗神社の巫女さん。何者に対しても平等に見る性格である。ただ、仕事は妖怪退治である為、妖怪に対しては厳しいポーズを取っているが、実際は人間にも妖怪にもさほど興味はない。宝船と言えば七福神。神様と言えば彼女の出番と思っているが、七福神の殆どが日本の神様ではない。本当の目的は金銀財宝。 ○普通の魔法使い霧雨魔理沙(きりさめまりさ)Kirisame Marisa種族:人間能力:魔法を使う程度の能力幻想郷に住む、普通な魔法使い。蒐集癖を持つ。ひねくれて見えるが、内実は誰よりも真っ直ぐ。いつも黒い服を着ているが、それは魔法使いは黒だと思い込んでいるのと、汚れが目立たないと言う理由から来ている。真っ直ぐである。実際の所、宝船に宝があると思っていない。世の中そんなに甘くない。宝が無くてもおもしろそうだから乗り込むのである。好奇心旺盛。 ○山の新人神様東風谷早苗(こちやさなえ)Kotiya sanae種族:人間能力:奇跡を起こす程度の能力妖怪の山にある守矢神社に住む巫女さん。妖怪退治は不慣れ。普段は神様と妖怪達に囲まれて暮している為、人間の話し相手が欲しいと思っているが、麓の人間は妖怪染みた人間ばかり。そのうち、自分もああなるのかと少しだけ心配している。でも、現人神と慕われただけあって妖怪にも劣らないが、少々惚けた所もある。神奈子に言われて妖怪退治の真似事をしてみたり……幻想郷に慣れようとしている。 ---------------------------------------------------------◇敵キャラサイド--------------------------------------------------------- ○1面ボスダウザーの小さな大将ナズーリンNazrin種族:妖怪ネズミ能力:探し物を探し当てる程度の能力生粋のダウザー。無数の野鼠を操り、探し物を見つけるという。ただし、食べ物の探し物は手元に来る前にネズミ達に食い荒らされてしまう。ずる賢く、相手に敵わないと見るやいなやすぐに逃げてしまう。星から二つの探し物を依頼されて地上を探し回っていた。探し物の一つは、飛宝と呼ばれる飛倉の破片。もう一つは、毘沙門天の宝塔である。○5面中ボスダウザーの小さな大将ナズーリンNazrinやっと探し出せた宝塔。実は宝塔を探していた事はムラサ達には内緒であった。星も大切な宝塔を無くしていた事は、自分の手下以外には言えなかったのだろう。 ○2面ボス愉快な忘れ傘多々良小傘(たたらこがさ)Tatara Kogasa種族:からかさお化け能力:人間を驚かす程度の能力使われなくなった傘が化けた者。彼女は元々は忘れ物の傘だったのだが、配色が不人気で誰も拾ってくれる事もなく、雨風に飛ばされているうちに妖怪になった者である。人間に実害を与えることは少なく、ただ驚く人間を見て気分をすっとさせるのである。しかし最近は驚いてくれる人間が少なく、ただいま驚かし方を古典的な怪談を見て勉強中。○エキストラ中ボス愉快な忘れ傘多々良小傘(たたらこがさ)Tatara Kogasa人を脅かすなら夜じゃなきゃいけないんだと思ってやってきた。人間が驚いてくれたかどうか、それは判らない。今回唯一の通りすがりの妖怪。新しく幻想郷に寺を造った白蓮でも驚かしに行くかと策略中。 ○3面ボス守り守られし大輪雲居一輪(くもいいちりん)Kumoi Ichirin種族:妖怪能力:入道を使う程度の能力雲山(うんざん)Unzan種族:入道能力:形や大きさを自在に変える事が出来る程度の能力何やら秘密のありそうな船を守っている妖怪。入道を使い、見張り番をしていた。見張りは誰かに命令されたわけではなく、自主的に行っているのである。その目的は何であろうか。一輪の性格は、真面目だが機転が利いて要領がよい。雲山の頭が固いので、上手く制御しているのである。雲山は、雲で出来た入道である。頑固親父で無口だが、根は優しい。曲がったことが嫌いで、正々堂々としている者を好む。ムラサ達の仲間の妖怪で、白蓮を慕う者の一人。入道相手にすら慈悲を見せる白蓮に帰依している。 ○4面ボス水難事故の念縛霊村紗水蜜(むらさみなみつ)Captain Murasa Minamitsu種族:舟幽霊能力:水難事故を引き起こす程度の能力遥か昔、海で舟が転覆して亡くなった人間の霊。未練から海を離れることが出来ず、そこに通りかかった舟を転覆させる毎日を送っていた。彼女は人間から恐れられた。人間の恐怖の念が彼女を妖怪に変え、ますます自分の自由な行動が制限されるようになった。その妖怪は、彼女の名前からムラサと呼ばれた。そんなある日、彼女に転機が訪れる。彼女の元にムラサを退治して欲しい、と依頼された一人の僧侶がやってきたのだ。彼女にとっても願ったり叶ったりであった。もうただの人間を乗せた舟を沈めても、妖怪としての力(恐怖)は上がらないと思っていたからだ。その僧侶、聞けば大層名のある僧侶だと言う。そんな僧侶を乗せた舟を沈めれば、当然妖怪としての格が上がるだろう。それが成功すれば、私を縛る呪われた海から離れて人間を襲う事も出来るかも知れない。――数日後、彼女を退治しにやってきた僧侶を乗せた舟が近づいた。舟には僧侶の他にも数人の人間が乗っていた。彼女はありったけの力で、脅してやろうと思った。ありったけの力で、僧侶の法力を破ってやろうと思った。しかし彼女の予想が外れ、僧侶は完全に無防備であった。ただの人間より手応えが無かったのだ。あっという間に舟は沈み、数名の人間は全て海に投げ出された。彼女は落胆した。こんな手応えの無い相手を倒したって何の自慢にもならない。そう思っていた彼女の眼に信じられない光景が映った。僧侶は海の上に居た。さっき転覆させた舟とは異なる、光り輝く舟に乗っていたのだ。しかもその舟は、遥か昔私が乗っていた物であった。「貴方はこの舟を探していたのでしょう?だから違う舟は全て転覆させてきた」僧侶は自分の法力で光の舟を創りだしていたのだ。「その舟は……!ああ懐かしい……なんで」妖怪となった彼女には、剣や矢よりも精神的な攻撃の方が怖かった。僧侶はその事を知っていた。「私達を乗せてきた舟は、不慮の水難事故で沈んでしまいました。私の法力で新しい舟を創りましたが、これは特殊な舟で操れる者が居ません」僧侶は、水から離れられない私に手をさしのべた。「この舟を操るのは貴方です」その言葉で、彼女は呪われた海を捨てる事が出来た。それから数十年後。妖怪を救う白蓮が、人間達に捕らわれ封印されてしまった。それと同時に、白蓮に関わる物品も、地底奥深くに埋められてしまった。村紗もまた、飛倉と共に埋められてしまったのである。まさか間欠泉と共に再び地上に現れる事になるとは、彼女自身も予想していなかった。そして誓う。今度は私が白蓮を救う番だ、と。そう、白蓮が生み出した舟に乗って。 ○5面ボス毘沙門天の弟子寅丸星(とらまるしょう)Toramaru Syou種族:妖怪能力:財宝が集まる程度の能力縁起が良い妖怪。古くから、白蓮は毘沙門天を信仰していた。だから、お寺に毘沙門天を召喚しようと思った。しかし毘沙門天も忙しく、殆ど寺にいる事はなかった。白蓮は寺の近くに昔からいた妖怪達が、怯えている事に気付く。どうやら、毘沙門天を畏れているようだ。やっぱり退治されてしまうのかと思っているのだろう。毘沙門天は忙しくて寺に来られないし、妖怪達は怯えて近づかない。そこで、白蓮は妙案を思いつく。山で最も人格のある「まともな」妖怪を毘沙門天に紹介し、代わりに信仰を集めて貰おうと。そこで選ばれたのが星だった。彼女は虎の姿をした妖怪で、寺のある山では最も信頼された妖怪だった。忙しい毘沙門天は、半ば黙認の形で彼女を弟子にした。しかし、完全に信頼した訳ではなかった。だから毘沙門天の手下である鼠、ナズーリンを監視役として付けた。そんな毘沙門天の心配を余所に、彼女は何も問題を起こさなかった。とても優秀だったのだ。しかし、彼女は優秀すぎた。白蓮が封印された時も特に取り乱したりはせず、毘沙門天としての業務をこなしていた。人間には自分が妖怪である事は内緒だったのだ。後悔の念もあれど、正体を明かす事は自殺行為に等しかった。白蓮がいなくなってから数百年経って、お寺は荒れに荒れた。そんな彼女の元に、地底に封印された白蓮の仲間達が戻ってきたのである。もう、後悔したくない。逃げやしない。ムラサ達に封印を解く方法を教えた。自分は妖怪である。白蓮を復活させる為に力を尽そうと。「封印を解く為には、白蓮の弟様、命蓮の力が必要です。それが残っているのは、空を飛ぶ倉、飛宝だけ……。ムラサ、船を出して探しましょう!」 ○6面ボス封印された大魔法使い聖白蓮(ひじりびゃくれん)Hiziri Byakuren種族:魔法使い能力:魔法を使う程度の能力(身体能力を上げる魔法を得意とする)白蓮の弟、命蓮は伝説の僧侶であった。軽々と鉢を飛ばしたかと思うと、その鉢でごうつくばりな長者の倉を持っていったり、離れた場所にいる人間の病気を治したりしていた。白蓮は、年老いてからその弟に法力を学んだ。普段は命蓮の法力が詰まった飛倉(とびくら)に暮らし、自然と力を身に付けた。しかし、命蓮は白蓮よりも早く亡くなってしまった。嘆き悲しんだ白蓮は、死を極端に怖れるようになった。まず、自分が死なない為に若返りの力を手に入れた。それは法術と言うより妖術、魔術の類であった。若返りを自分の物にし、寿命が亡くなった彼女が次に怖れたのはその力が失われる事だった。妖術が失われる事、それは人間が完全に妖術を排除する事に他ならない。つまり、妖怪が居なくなってしまったら、自分の力も維持できなくなるのだ。彼女は妖怪を敬った。表では妖怪退治を依頼されても、裏では妖怪を助けていた。彼女は妖怪を敬ったが、それは人間と敵対する為ではない。最初は自分の欲の為であったが、妖怪達の不憫な過去を知り次第に力にならないといけないと思うようになったのだ。突然現れた若い僧侶。若さと法力を手に入れた彼女は、人間の人気者であった。「白蓮が居れば、もう妖怪は怖くない。夜に怯えて暮す必要なんか無い」と。そして、彼女の思いと人間達の期待とのギャップが、悲劇を生んだ。「彼奴は人間の面をした悪魔である」と。彼女は魔界に封印され、二度と人前に出てくる事は無かった。 ○エキストラボス未確認幻想飛行少女封獣ぬえ(ほうじゅうぬえ)Houjuu Nue種族:鵺能力:正体を判らなくする程度の能力余りにも不可思議。余りにも謎に満ちた夜空を飛ぶ妖怪。それが彼女だ。幾度となく人間に退治され、その都度、姿形が異なって伝えられた。ある伝説では、頭が猿、体が狸、手足は虎、尾は蛇だと言われた。またある伝説では、頭が猫、体は鶏、尾は蛇だと言われたりもした。しかしそれらは全て作られた伝説である。本当は、彼女は人前に姿を現すことは無かった。人間達が怯えて、あれこれ姿を想像しているのを、遠くから見て楽しむだけだった。それが彼女の日課であった。それにも飽きて、長い間地底でのんびり住んでいたのだが、今年の初めの間欠泉騒ぎのどさくさに紛れて地上に出てきた。地下にいた時に一緒だったムラサ達も地上に出てきて、何やら企んでいるのを見た。彼女は「久しぶりに楽しめそうだ」と思い、邪魔してやろうと飛倉の破片に「正体不明の種」を付けた。正体不明の種は小さな蛇の様な不思議な飛行体で、決まった姿が無い。他人が見ると、その人が持っている知識で認識できる物に見える。霊夢達には木片が空を飛ぶ筈が無いと思っていたので、未確認飛行物体の代表的な形である、円盤UFOに見えた。ムラサ達には飛倉の破片は、勝手に間欠泉によって散り散りになった様に見えたが、実は世界にばらまかれたのはこの正体不明の種の仕業であった。どうも、他人が楽しそうに何かをしていると、見えないところから邪魔したくなってしまう。それが彼女である。ムラサ達が何を企んでいたのかは知らないが、失敗したら楽しいなと思っている。しかし、その正体不明の飛行物体を嬉々として集める人間が現れた。正体不明に怯えない人間とはどういった人間なのか興味があった。だからこっそりと後を付けて、時には邪魔したり時にはサポートしたりもした。結局ムラサが行っていた事は、自分にも益がある事だと知り後で後悔する事となる。白蓮はそんな自分の復活を邪魔した彼女も受け入れた。暫くはこの僧侶に付いていくしかないと思う鵺であった。