--------------------------------------------------------------------○東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.あとがき上海アリス通信vol.6上海アリス幻樂団長ZUN2005/08/14--------------------------------------------------------------------*注クリア後のネタバレを含みます。また、ストーリーやキャラの設定を含む強烈なネタバレは、キャラ設定.txtに纏めてあります。 ===========================================■0.おまけのあとがきのもくじ===========================================■1.おまけのあとがき===========================================■1.おまけのあとがき=========================================== ○明るく楽しい死後の生活を送る為にふう。今回大しておまけを書く時間が無いくらい、テストプレイが楽しかった。まだ遊んでは調整しています。そんなわけで、今回のおまけコラムは簡単なテーマにしましょう。その内容は、明るく楽しい死後の生活を送る為にする事とは何か。いや簡単じゃないな。花映塚ではとあるキャラから嘘のような道徳がぽろぽろと出てきますが、果たして彼女たちの言っていることは本当のことでしょうか。勿論、聡明なプレイヤーの皆さんは鵜呑みにしたりはしないでしょうが……今回のゲームは、終盤に向けて一方向に進んでいくのではなく、同じ事を繰り返し続ける事になります。だから今回のような不思議なストーリーなのです(ってまだクリアしていない方は、なんとかクリアしちゃいましょう)そこで、(軽いネタバレになりますが)「死後の生活を良い物にしようという心が、今の生活を善い物にする唯一の方法だと心得よ」と言うような台詞が出てきます。まあ、幻想郷の彼女たちの周りには相当長く生きている者ばかりですから、こういう不可思議で理不尽な台詞に出会う事も少ないくはありません。でもこれって本当のことでしょうか?そんな死後のことを心配するより、今を一所懸命努力した方が生活が向上するのでは無いでしょうか?いいえ、これはあらゆる面において正しい事なのです。ゲームを創るとき、様々な困難や誘惑、挫折がある事でしょう。その困難に立ち向かい、それを乗り越えていく事になります。それを繰り返していくうちに、困難を乗り越えることが目標となり、最大の成果となってしまう事が多々あります。例えば、最もわかりやすい例は締め切りですが、「今行っている作業は何の為にやっていますか?」と問えば、ゲーム開発者の殆どの人が締め切りがあるからって言うと思います。何の為にゲームを創っているかというと、細部を追っていけば締め切りがあるからという事になります。これは特に悪いことではなく当たり前の事なのです。例えば上司に「今行っている作業は何の為にやっているか?」と訊かれて、「面白いゲームを創るためにやっています」って言ったら殴られるかも知れません。その理由が理解出来ますでしょうか?ゲームならば「面白いゲーム」「売れるゲーム」「自分が創りたいゲーム」と大きな目標が存在します。そしてそれを達成させるためにはどうすればいいのか、と考えた時、「いつ完成させる」「どの位の規模で完成させる」など具体的な目標が出来、そして最後には「何日までにこの作業を終わらせる」という締め切りとなるのです。だから、締め切りを守るためにゲームを創っています、とは面白いゲームを創るために、と同じ意味なのです(反対は真ではありません。だから先の例で殴られるかもしれない、と言った訳です)つまり、目の前の目標は、最終的な大きな目標のためにあるのです。当たり前ですね。でもウッカリしていると、大きな目標を忘れる、もしくは最初から無い、という状態で小さな目標を創ってしまうことがあります。これが危険な状態なのです。例えば「ゲームを創りたい」と言う小さな目標がが最終目的になっているなど。「ゲームで人を愉しませたい」という目標も大きい目標ですが、それでも最大の目標ではない。何故、ゲームで人を愉しませたいか、ゲームで人を愉しませたらその向こうには何があるのか。目標を達成したら別の目標を立てて、経験という人間の成長を捨て、一貫性のない人生を送るのか。最近では、刹那的に生きることが当たり前の様になってきています。あちこち、面白いと思う所だけ取っては捨て、取っては捨てを繰り返す事が多くなっています。一つのことを極めるのも、極めたか飽きたかすれば、何もかもかなぐり捨てて別の物に移ってしまう人もいます。大学に入学したり、就職したりすると目標を失う人もいます。これは今の目標の存在理由、つまり究極の目標が無いからそうなってしまうのです。究極の目標、それは現実には容易に達成できない物である事が望ましいです。「世界平和」とか「人類愛」とか「大悟徹底」とか……。でももっと究極の目標として一般的な物があります。それが「死後の生活を良い物とする」です。死後の生活を良くしたい。地獄に落とされないようにしたい。だから世の中に貢献したい。だから多くの人を喜ばせたい。だから面白いゲームを創りたい。だからこの日にこういう内容のゲームを発表したい。だから何時までにこの作業を終わらせなければいけない。と、目標が連鎖するのです。この連鎖が途中から始まった場合、他人の心を傷つける様なゲームになったり、不道徳な内容のゲームを創ってしまうかも知れない。あくどい方法でお金をせしめるゲームになるかも知れない。それではゲームにとって善くない事になるでしょう。何の為にゲームを創りたいのか?何の為に面白いゲームを創りたいのか?と言わたら答えに窮する様ではいけません。究極の目標を持っていないことがバレてしまいます。そう聞かれたら、これからは堂々とこう答えましょう。「そう、明るく楽しい死後の生活を送る為に」 初めまして、ZUNです。上で言っていることは、入社試験とかでは言わないように(笑)あ、いや、案外面白い奴だとか思われるかも知れませんが。いま入稿寸前です。余り書くことが出来ません。って言うのも何ですので、一言だけ。すんごく面白いゲームですよ?もし自分はゲームが好きなのに、面白さが判らないって言う人が居たらきっと一生判らないかも知れない。逆に、無理に押しつけられても逆効果なので、面白さが判らない、って人に遊びを押しつけないこと。でも、それはちょっとだけ損をしているかも知れませんね。(逆に東方が好きって人にはどう思われるかは本当に謎)ちなみにエキストラについて。エキストラでは最初は残機がありません。全てをクリアするには、まずエクステンドさせることが重要です。でも、正攻法だけでは後半きついかも。