-------------------------------------------------------------------- ○東方獣王園 〜 Unfinished Dream of All Living Ghost.  キャラ設定とか                  上海アリス幻樂団長 ZUN                         2023/08/13 -------------------------------------------------------------------- ===================================================================== ■1.あとがき =====================================================================  どうも、ZUNです。  今年は暑いですねぇ。  今年はAIが話題を独り占めしています。AI生成がやっていることは、 効率化の延長線上に存在する一つの答えです。それまでも、技術を学ぼうと すれば、ネットで調べれば習いたての子供でも超絶技巧の作品が作れるとこ ろまで来ていました。だとすれば、ネットに聞くなんて無駄を省いて、AI に作らせれば何でも出来てしまうのです。凄い、上手、綺麗、なんて評価の 作品はAIに任せれば一瞬で出来るでしょう。  あくまでも、効率化に至上を求めるのならば、ですけどね。  突如、AIが爆発し始めた昨年ごろ、ひねくれ者の僕は  『AIが世間を席巻するのならば、相対的に自作の価値が高まる』  と思い立って、とにかく作業量の多い作品を作ろうとしたのが今作品です。  AIの象徴する、完全性、無機質性、結果論に対し、不完全性、有機質性、 過程の重要性とは何か、それは簡単に言うと生き物である、と言う事です。  人間がAIにかまけているうちに、獣たちの方が精神的に豊かで生を実感 できる世界を築いている、そんな幻想が詰まったのが、今作品のテーマです。  その結果がこれだよ(笑)  このゲームを作り始めた時は寒かったのに、ほぼ休みなく走り続けて、完 成の頃には酷暑ですよ。桜は何処に行った……。  いやー、とにかく作業量が多かったです。その分満足度も高いです。  最後の最後まで調整を続けたストーリーモードと、どう転ぶかよく判らな いVSモード。ゲーム史上、近年まれに見る怪作だと思っています。まあ、 こんな作品はAIは作らないでしょうな(笑) まさに獣の所業……。  最終的にぶっ通しで全キャラクリアするくらい楽しめるゲームになりました。  ついさっきまで更新を続けた、ボスのドット絵を描いてくれた海原海豚さん。  気が付いたらSTGの腕が上がっていた、自キャラのドット絵とアビリティ カードを描いてくれたきーさんに感謝。  お陰で華やかで可愛いゲームになりました。有難うございますー。  さて、今作品ですがシステム的に説明不足な部分が沢山あります。とくに 全キャラの性能に関して、殆ど説明がありません。  本当はキャラセレ画面で説明したかったのですが、作業量的に顕界だった ので入っていません。  マニュアルに書こうかと思ったけど、ネタバレになって書けないところも あります。  と言うわけで、ここに書いておきますね ○オンライン対戦の解放  ある程度ストーリーを進めて、全キャラ解放されたら選択できます。 ○ナズーリンの除霊オーラ  一番近い霊敵に向かって移動します。 ○ナズーリンのスキルアタック  画面全体に広がる衝撃で、『沈静化した霊を全て一掃』します。  それ以外の敵には効果がありません。 ○火焔猫燐のスキルアタック  幽霊全てを沈静化します。 ○二ッ岩マミゾウのスキルアタック  ボムのかけらを入手します。三回使えばボムになります。 ○天火人ちやりのショットと除霊オーラ  ショットには出血による継続ダメージがあります。  除霊オーラも僅かに攻撃力を持っています。 ○天火人ちやりのスキルアタック  EXで送り込んだ鬼火を全てを凶暴化させます。 ○日白残無のスキルアタック  全ての妖精を沈静化したピュア霊に変えます。もう戻りません。可哀想に。 ○動物霊の種類  動物霊はピュア霊を撃破すると送り込めます。  その時の自キャラとの距離によって異なる動物霊に変化します。 ○暴走EXスペシャルアタック、暴走ボスアタック  霊をまとめて大量に破壊すると、ゲージを使用しなくても EXスペシャルアタックやボスアタック発動する事があります。  この場合はアタックのレベルアップはしません。                ZUN(燃え尽きたぜ……真っ白に)  **以下にエンディング後に関わるネタバレがありますのでご注意**                ↓ ===================================================================== ■2.キャラ設定 ===================================================================== いつもなら、ゲームに出てくる全てのキャラクターの設定を書くところですが、 今作は余りにもキャラが多く、  設定を書くにはこのテキストファイルは小さすぎる と言うことで割愛させて頂きます。 大まかな設定はストーリーモードで語られているとおりです。 ○小さな聖域の大聖  種族  猿神  名前  孫 美天孫 美天(そん びてん)  能力  野生の猿を操る程度の能力   自分のことを、伝説の猿、孫悟空の生まれ変わりだと吹き込まれている。  幻想中の領土の所有権が失われたかと思ったが、一部は権力を持った霊が 収めたままの場所があった。  その場所は、聖地ヤマンバの地。  妖怪の山の麓にあるアンタッチャブルな聖地である。  そこの所有者だった幽霊が、所有権を返却しようか逡巡していたところを、 彼女が喰らい、鬼と化した。肉体を持ったまま、鬼として目覚める。  そのままだと確実に地獄へ落ちて、責め苦に遭うだろう。  そこで地獄に落ちるのを防ぐという名目で、吉弔八千慧が近づいてきた。  しかし実際は、鬼傑組の地上進出の足掛かりだ。  しかし、吉弔八千慧に彼女を紹介したのも、彼女が幽霊を喰う嵌めに なったのも、全て残無の仕業だったのだ。  掌の上で踊っているのは、孫悟空なのか、畜生どもなのか。 ○森閑のケルベロス  種族  不死のヤマイヌ  名前  三頭 慧ノ子(みつがしら えのこ)  能力  罠を操る程度の能力  早鬼から、まるでケルベロスの様だ、と持ち上げられている。  人間だったころの残無の肉を喰らったことがあるヤマイヌ。  その所為で永遠に呪われている。  魔法の森でひっそりと住んでいたが、永遠に近い命を持ちつつ、 覚醒することなかった。ただの年老いた獣として長い時を過ごし、 無為に生命の炎が尽きるのをただ待っていた。  しかし、ある日心の奥底から何者かが呼びかけてきた。  それは、あの肉を喰らったのに笑っていた不思議な僧侶の声だった。  「わが肉を喰らいし幸運な獣よ。宝玉が近くに落ちている、それを喰らえ」 心を震わせる声をきっかけに、彼女は目覚める。  その宝玉は生命を浄化する月の宝珠に似ていた。  手にしたとたん、獣の周りから穢れを取り除かれていく。  本当の不死の存在となったようだ。  続けて声は命令する。地上にいるすべての動物霊を喰らいつくせ、と。  しかし、最強の動物霊、驪駒早鬼に出会い早鬼は彼女を懐柔した。  早鬼に彼女を紹介したのもまた、不思議な僧侶、残無である。  ちなみに、彼女のトラバサミは手を開くと開き、握るとしまるとても危……、便利な代物だ。 ○穢れた有機物の怪物  種族  天火人(テンカジン)  名前  天火人 ちやり  能力  血と火を操る程度の能力  火と血をまとった、正体不明の呪われた妖怪。  その正体は大きなムジナだと言われているが、その姿を見た者はみんな、 ムジナだとは思えないという。  地上の人間からは、チュパカブラだと言われて恐れられているが、 本人はそんな変な名前の怪物だと思われることに不満を持っている。  旧血の池地獄を心地よいと思う変人である。  饕餮が旧血の池地獄に辿り付く前から棲み着いていた。  生き物の血を吸って生きているが、生温い生き物の血では満足できず、 怨念渦巻く呪われた血を求め、旧血の池地獄に辿り着いた。  旧血の池地獄が余りにも自分に合った環境の為、既に地上への興味を失っていた。  元々、地獄に住んで、血の池のおこぼれにあずかる生活をしていたのもあって、 旧血の池地獄は彼女にとって楽園だったのである。  つい最近になって、旧知の残無から旧血の池地獄にいるという饕餮の話を聞かされる。 似たもの同士の饕餮と出会い、すぐに意気投合した。  饕餮によると、現在、地上で動物霊達が陣取り合戦を行っているという。 彼女は地上の国盗り合戦には興味は無かったが、饕餮が楽しそうにしているのを見て血が騒ぐ。  彼女は期待した。  旧地獄を切り捨てた残無の元にいけば、より強い怨みを持てるだろう。 ○地獄の美しきストーカー  種族  黄泉醜女  名前  豫母都 日狭美(よもつ ひさみ)  能力  絶対に逃さない程度の能力  不用意に地獄に近づく奴を、甘い言葉で地獄へ引きずり込む美しき地獄のキャッチ。  言葉巧みに地獄へと誘うが、逃げ出す奴には何処までも追いかける。  彼女のターゲットにされたら地獄に落ちる羽目になるだろう。  地獄に引きずり込んだ数だけ報酬が貰えるという。  彼女は亡者に報酬を分け合う約束して、地獄へと誘う。  実際に分け合うこともあるようで、地獄に行った人間から嫌われている訳ではないようだ。  彼女のおかげで、予定以上の霊が地獄に落ちるので、閻魔様に目をつけられている。  人間のくせに地獄を支配する不思議な僧侶、残無のことを一方的に慕っている。 しかし、過剰に協力してしまい、邪魔になることも多々ある。  彼女は、残無の思い通りに動かない数少ない人物だ。 ○寂滅為楽の王  種族  人鬼  名前  日白 残無(にっぱく ざんむ)  能力  虚無を操る程度の能力  不思議を極めた鬼。  元々は、この世の全ての道から外れた破戒僧である。  戦国の世を生き延び、世の無情さとしぶとさを覚る。  僧侶として殺生を禁じられていたが、殺した数を自慢する戦国の世に矛盾を感じていた。  彼女は霊体ならば、それは殺生ではなく救済だと考え、幽霊や動物霊を吸収するようになる。  妖獣の霊も吸収したのか、その結果人間としての命を捨てるが、  聡い彼女は地獄に堕ちる前に自ら地獄へ向かった。  地獄に堕ちてから、その類いまれなる能力と、不思議な話術で鬼の信頼を得るようになる。  既に自身も鬼化していたのだが、その事も関係していたのかもしれない。  高圧的な鬼とは対照に、対話で地獄を支配するインテリ鬼となった。  古くさくて機能が麻痺していた旧地獄と分離させて、新しい地獄を作ると提案したのも彼女だった。  そのため、旧地獄で残無の名前を知らぬ者はいない。  頭の悪い悪人ならともかく、悪知恵の働く悪人には、高圧的な態度だけではコントロール出来ない。  そういう時は、彼女が上手く宥めたのだ。  今の地獄が悪人達のセーフティネットとしてちゃんと機能していたのは、彼女の優れたバランス感覚にあった。  それから数百年経って、畜生界の動物霊達は地上支配の野望を持つようになる。  そこに必然か偶然か、地上の所有権が無に帰す出来事が起こった。  その事が畜生どもに伝わって、地上に進出するのは時間の問題だった。  その事を危険視した地獄の鬼達が、今まさに戦争を起こそうと武力を集めていた。  鬼と畜生の戦争が地上で行われるとしたら、文字通り地上は地獄絵図である。  残夢は戦国時代を思い出す。あの無情さは、幻想郷には要らないだろう。  残夢は、この件は自分が引き受けるから、少し待って欲しいと願い出た。  彼女はそれぞれの動物霊のリーダーを裏からそそのかし、あえて同時に地上に進出させた。  そして、畜生達を三つ巴にして分割統治させて、最終的に全て自分の物にする作戦だった。  それぞれの畜生達の思考は知っている。  思い通り動かすのは簡単だった。  しかし、今の幻想郷には、妖怪の支持を集める人間がいる事を知らなかった。  だとしたら話は別だった。  ちんけな畜生達にくれてやる必要はない。  幻想郷はその人間に委ねよう。  まるで、鬼や畜生の支持を集めた自分のような人間に。