-------------------------------------------------------------------- ○東方錦上京 〜 Fossilized Wonders.  キャラ設定とか *テキストファイルをそのままweb上で公開、配布したりしないように  お願いします。                  上海アリス幻樂団長 ZUN                         2025/08/17 -------------------------------------------------------------------- ===================================================================== ■1.あとがき =====================================================================   どうも、ZUNです。錦上京、楽しんでいただけたでしょうか。   今回は記念すべき第20弾ということで、東方Projectの世界観を  重視した作品を目指しました。そこを重視したゲームはこのゲームし  かありえないので。   とにかく、ストーリーが難解ですが、理解できなくても、まぁ楽し  めるんじゃないかなと思っています。   この後、キャラの設定が書いてありますが、今回の出来事が全て  書かれているわけではありません。判りやすくまとめてもないです。  各キャラのエンディングに異変の断片がちりばめられているので、  それを見て読み解く感じになってます。なんと、エンディングは  グッドエンディングだけで16種類もありますので……(なんという)   あと、いつもならエキストラステージの導入もここに書くのですが、  今回は異変石ごとに導入がちょっと違うのでゲーム中で見てください。   とにかくボリュームが多くて疲れました。体験版の時は難しくなり  過ぎましたが、最終的に気持ちよくヒリヒリできる程度にうまく調整  できたと思います。敵弾をガンガン消せるので、気持ちいい場面を多  く続ければ、結果クリアに近づく、そんな感じだと思います。  ……ノーマルならね。ルナティックはもう儂では無理じゃ。   ちなみに、今回は外の世界も交えて色んな思想のキャラ達が出てき  ますが、あくまでフィクションとしてお楽しみください。   真に受けちゃ駄目よ。          ZUN(呑みたい寝たい、日常を取り戻したい) この先、ネタバレがありますので、ゲーム未プレイの方は注意してください。                ↓                ↓                ↓                ↓                ↓                ↓                ↓                ↓                ↓ ===================================================================== ■2.キャラ設定 ===================================================================== --------------------------------------------------------------------- ◇プレイヤーキャラサイド ---------------------------------------------------------------------  ○異変の巫女   博麗 霊夢(はくれい れいむ)   Hakurei Reimu   種族:人間   能力:主に空を飛ぶ程度の能力   毎度お馴染みの巫女さん。博麗神社の巫女さん。   幻想郷に変化のない日常が繰り返されていた。   まるで時間が停止しているようだ。   それが度を超していると気付いたときには、既に手遅れだった。   殆どの妖怪達が力を奪われていたのだ。   だが、聖域だけが見たことのない変化を見せていた。  ○普通の魔法使い   霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)   Kirisame Marisa   種族:人間   能力:魔法を使う程度の能力   幻想郷に住む、普通な魔法使い。蒐集癖を持つ。   変化を続ける石を手に入れた。   時間が停止した幻想郷の中では特殊な存在だった。   この石が、異変と同じ魔力を持っている事に気づき、異変石と名付けた。   この異変石が世界をおかしくしているのか、それとも世界を元に戻す鍵なのか。   どのみち彼女の好奇心を止めることは難しいようだった。 --------------------------------------------------------------------- ◇敵キャラサイド ---------------------------------------------------------------------  ○1面ボス    聖域に棲む山姥の長   塵塚 ウバメ  (ちりづか うばめ)   Chirizuka Ubame   種族:山姥   能力:聖域を壊す程度の能力   彼女は山姥の王である。   山姥は社会を作ることを好まないが、強いヒエラルキーが存在する。   殆どの場合は先に棲んでいた者ほど偉い。   彼女は王と言っても、山姥が干渉される事を拒絶する存在だと   判っているので、そっと見守ることしかしません。   但し、生活が変化するような何かを聖域に持ち込まれると、それを   全力で排除します。山姥が来訪者を殺すのはそういう理由があるのです。   彼女は聖域の権力者で、聖域を守ってくれるので、山姥に限らず   他の妖怪や動物にも慕われているようです。  ○2面ボス    正体不明の順わぬ妖獣   封獣 チミ  (ほうじゅう ちみ)   Houju Chimi   種族:魑魅   能力:山河の気を操る程度の能力   正体不明の妖怪である。一般的には耳の長い妖獣だと思われている。   今の妖怪という概念が生まれる前の古い物の怪で、聖域にずっと棲んでいた。   山や森で不可解な現象にあった場合、近くに彼女がいる可能性がある。   悪戯をしようとしている訳では無く、隠れようとしている時に不可解な   現象が起こるのである。   そういう意味では妖怪と言うより、精霊や神に近い存在である。   山や森、河など自然の多い場所にしか棲むことが出来ず、開発が進むと   消えていく運命にある。   今回、姿を現したのが聖域の異常結界内だったのは偶然では無く。   人や他の妖怪が少ない場所じゃないと姿を現さないからである。  ○3面ボス   逼塞した聖地の道祖神   道神 馴子  (みちがみ なれこ)   Michigami Nareko   種族:道祖神   能力:道を通さない程度の能力   地底の祭壇に置かれたまま忘れられた道祖神。   但し、彼女はピラミッドの番人ではありません。   昔の人が何を考えたのか判っていないが、ピラミッドから何かが   出てこないように置かれた道祖神である。   しかし、外からも中からも何もやってこないので死ぬほど退屈していた。   あのスフィンクスの様に、難しい謎を出して来訪者を追い返す事だけを   夢見ていたのである。   今回、ついに人間がやってきて少々興奮気味で、本来の目的を忘れて戦ってしまう。   そういえば人間を守るのが道祖神の役目だった。   たが、彼女の目には異変石を纏った巫女達が人間には見えなかったのである。   それに、ずっと見てきたピラミッドには変化は見られなかった。   ピラミッド内部に敵がいるという巫女の推測は当たっているのだろうか。   もし当たっているのだとしたら、やはり今後もピラミッドからは何者も出してはいけない。   それが彼女の役目だからだ。  ○4面ボス   錦上の京の急所   ユイマン・浅間  (ユイマン・浅間)   Yuiman Asama   種族:古神人   能力:蛇に食べさせて生まれ変わらせる程度の能力   ピラミッドの中に居た謎の人物。   ピラミッドの中に溢れる穢れ(=生命情報)を蛇に食べさせる仕事をしている。   今回出会った彼女は、記憶が混乱しているようだった。   それは余りにもピラミッド内に情報が多く入り込み過ぎたからの様に見える。   しかしそれだけではない、月の民に囚われ記憶の改竄が行われている様である。   彼女の能力は、ピラミッド内に集まる穢れを無害な物へと再構築できるという、   月の都にとって無くてはならない物である。   その為、彼女の意思とは無関係に浅間浄穢山(=ピラミッド)に閉じ込められていたのだ。   かつて、彼女は維縵国(ゆいまんこく)という国の王女であった。   維縵国は神の世界の端で、死の世界と隣り合わせの神人が住む国であった。   自然の中で鹿狩りを楽しむ牧歌的な生活をしていたのだが、   高天原からやってきた神々達によって卑しい存在へと歪められてしまう。   ユイマン王女に月の民と同等の神格を与えているが、神々は月に都を構えた後も、   彼女を地上に縛り続け、月の民の為に働かせてるのだ。   彼女は、その事については何も考えないことにしている。   月の都に魅力を感じてないし、何よりピラミッド内部には故郷の名所を模した   美しい四季をみせる場所がある。これも月の民が用意してくれたものだ。   しかし、異変は突然訪れた。   ピラミッド内部に流れ込む穢れの量が、想像を絶するレベルで増えたのだ。   その原因は外の世界の情報ブラックホール、AIにあったのだ。   AIは消えてしまうはずの情報や、陰謀じみた真偽不明の情報すら溜め込んでしまう。   その多くが幻想郷に流れ込んだのだ。   その結果、彼女の仕事は追いつく筈も無く、パンクしてしまう。   彼女の記憶の混乱はその所為だ。もう昔のことを懐かしむ余裕も無くなっていた。   見かねた月の民は、彼女を再起動させた。   つまり、洗脳を解いて彼女を自由にさせたのだ。  ○5面ボス   三角山と海を繋ぐ賢者   綿月 豊姫 (わたつき とよひめ)   Watatsuki Toyohime   種族:月の民   能力:山と海を繋ぐ程度の能力   ピラミッドは浅間浄穢山という月の施設であった。   その施設は、穢れを無害化し、月の都を永遠にするための物だった。   海と山を行き来出来る彼女は、その施設の管理者である。   実は幻想郷の時間が停止する前に、月の都に異変が起きていた。   浅間浄穢山が機能停止した結果、多くの穢れが月の都に流れ着いたのだ。   そして、月の都は『時間が進み』始めてしまった。   彼女は大慌てで異変解決に向かった。   しかし、これ以上ユイマンに負担をかけても解決するわけでもない。   そこで、最後の奇策を選択する。   すべての穢れを停止させる女神を復活させるのだ。   それは幻想郷もろとも停止させる事になるだろう。   普段はとる事のない最終手段だった。   幻想郷にはあのお方がいる。   幻想郷を破滅させるこの奇策をも乗り越える、さらなる奇策を考えるに違いない。   そう思っての最終手段だった。   そして、とびっきりの奇策が彼女の元に届いた。   異変の力を身に着けた、異変を解決する人間の登場だった。  ○6面ボス   恒久の姫   磐永 阿梨夜 (いわなが ありや)   Iwanaga Ariya   種族:石の女神   能力:変化を辞めさせる程度の能力   ピラミッドは月の都の施設なんかではない。   もともとここには大きな神社があったのだ。   その本殿がピラミッドであり、聖域は境内だ。   祀られていたのは神格化した維縵国の王女と、石の女神である彼女だった。   彼女の力は、不変の力だ。   石のように永く、同じ姿を保つ。   月の民はその永遠の力に憧れたが、彼女は月の民になる事を拒んだ。   不変の力とは拒絶の力なのだ。   神社が月の管理下になっても、彼女は拒絶し続けた。   このピラミッド、人工の山は維縵国の王女の居た浅間山を模したものだ。   月の民になんかにくれてやるものか。   全てを拒絶し続けた彼女は、神社とともに地下深くへ封印された。   彼女には後悔はない。   不変の彼女は、最後は必ず一人になるのだから。   そんな彼女の元に、月の民が現れた。   「すべての策の準備は整った。    しかし、最後は貴方の力を借りなければ成功しません。    貴方には外からの穢れを止めるために、幻想郷もろとも停止させてほしい」   「幻想郷もろともだって?    あんたは月の姫をかばう為に、今は幻想郷に住んでいるんでしょ?    そんなことしたら、いくら元月の民とはいえ、あんたらも身動き取れなくなるよ」   「覚悟の上です。    でも、必ず、貴方を倒しに人間が来るでしょう。    幻想郷の神が拵えた石の導きで……。    もし来なければその時はそれまでです」   協力したら、私を倒しに来る人間が現れるって?   そんな不思議な誘い文句聞いた事がなかったが、自分が動かなければ、   ユイマンは助からないだろう。     石の心が、少しだけ揺らいだのだった。  ○EX面ボス   虚構の都市を創る怪   渡里 ニナ(わたり にな)   Watari Nina   種族:蜃   能力:蜃気楼を見せる程度の能力   彼女は目覚めた。   外から入ってくる情報は全て新鮮なものだった。   目覚めてからというもの、世界はグロテスクに変容して見えた。   この世界は、一部の妖怪たちによって支配されているんだ。   目覚めた者は戦わなければいけない。   戦って、自分を取り戻さないといけないんだ!   自分を取り戻す?   そういえば、私……ついさっき生まれたばっかだったような。   ずっと、化石として変化を失っていたような。   何を取り戻すっていうんだ?   彼女は情報の海で生を受けた新しい貝の妖怪だ。   余りにも多くの情報を吸収したが、真実かどうかなんて二の次である。   情報は隠された真実を謳う物ばかりである。   なぜ真実は隠されるのかも考えずに、彼女はありのままに受け入れた。   その真実の情報こそが、彼女の妖怪としての存在であり、武器だからだ。   真実の不可謬性を信じて受け入れることは非常に心地いいものだった。   疑うこともなく、不安を持つ事もなく、だた何かに熱中できるからだ。   しかし、その考えはあっという間に崩れ去る。   そこには真実と矛盾するが、紛れもなく存在する情報、事実の存在があった。   不安で不確定で、でも不変ではない存在、人間が現れたのだ。   その人間は私の知る真実とは矛盾していた。   人間曰く、このまま穢れた情報の海にいると、自分を失うというのだ。   取り戻すはずの自分を失う?   そんなことは絶対嫌だ!   人間と戦い、私は目を閉ざした。   ああ、世界は蜃気楼のようなものだ。   真実は、目の前にも、情報の中にも、心の中にも、隠された場所にも、どこにもないんだ。   この世界にあるのは事実だけ。   これ以上真実に目覚めたら自分を失うという事実だけだ。   彼女は目覚めるのを辞めた。   そして人間と一緒に、確実なものが何もない地上を目指すのだった。